2009年 03月 31日
静岡ぶらり旅(前編) |
ぽかぽか陽気の静岡市内を、てくてく歩いてきた。
「今度、まんなかへんで遊ぼう」と約束して、さらちゃん(さらーむさん)と静岡デートしてきた。
桜にはまだちょいと早い3月中旬。
最高にいいお天気。コートなんていらないあたたかさで、おさんぽ日和だ。
私は湘南から東海道線でことことゆっくりでかける。
とは言え、熱海で乗り換えたらもう乗りっぱなし。鈍行でも2時間ちょっとなので、近いぞ静岡。
真鶴や根府川のあたりから見える海はきらきらと光って大変気持ちがいい。こういう風景は、鈍行の窓から見たい。
静岡市には、2年ほど暮らしたことがある。もともと静岡の海辺の田舎町で育った私は、子供の頃からちょくちょく遊びに出かけていた街でもある。
静岡は西部・東部・中部と分けられ、静岡市は中部の一番大きな街。県庁所在地でもあるので、大きな買い物やなんかで出るのは大概静岡市だった。
こぢんまりした市街地は、駐車場が少ない代わりに平たいので自転車でうろうろするのにはとても便利だった。そして、自転車でうろうろできる範囲で大抵の用が事足りる。
静岡に暮らしていたときには、西武デパートの地下食品外にジャージでねぼけながらパンを買いに行ったりしていた。今思えばお恥ずかしいが、近所だったんだもん…
さらちゃんは名古屋から新幹線でやってきた。地下鉄を乗り過ごしたとかでぎりぎりだったらしい。旧交を乗り継げば…と思っていたさらちゃんに「無理だから」と新幹線一直線を勧めた夫君、アナタは正しい。
静岡駅の中には「ASTY」という駅ビルが入っており、静岡の名産品を売るコーナー、カフェや居酒屋、本屋などが詰まっていて、電車の待ち時間も便利に過ごせる。
その中のカフェ・レジェロで待ち合わせ。
ここの紅茶は、ミルクかオレンジから選べる。レモンティーでなくてオレンジティー。めずらしい。
お互いの無事の到着をねぎらい、一休みしたらお昼ごはんを食べにでかける。
さらちゃんには申し訳ないが、在住したことのある私の案内で静岡市内を歩くと、「観光」というより「休日のさんぽ」になる。普通の食堂でお昼をたべるべく、てくてく歩く。ちょっと遠い。ごめんね。でもすごくおいしいから。
食堂の向かいのお宅は花が好きな奥さんがいるのだろう、鮮やかに花が咲き乱れていた。
あふれるパンジーはもちろん、このアジサイの葉の豊かなこと、どうよ。うちのはまだ、新芽がぽっちり出たばかり。やはりあたたかいのだな。しかも、潤沢にお天道様の当たるスペースを花にあてているのだ。かわいがってもらっているね。よかったね。
歩きくたびれはじめ、初めての人はちょっと不安になってきた頃に着く食堂、それがちょっと「くわ屋食堂」。周囲にお店や商店街などないのでびっくりするかもしれないが、遠くから訪れる価値のあるごはん屋さんなのだ。
先代までは普通の大衆食堂だったのだけど、今の若主人の代になってメニューも内装も一新、おしゃれで女性も入りやすい、利用しやすいお店になった。
店に入るとすぐにレジ前のおそうざいコーナーが目にとまる。量り売りで、いつも十数種類のおそうざいが大皿に盛ってある。持ち帰り用のパックに詰めて帰るもより、お皿に盛って定食に添えるもよし。
きんぴらや含め煮、コロッケなどはもちろん、「黒はんぺんとひじきの甘辛煮」や「豚汁」、「プリン」「チーズケーキ」なんかもある。
デザート類はランチタイムが終わる頃にはなくなっちゃうほどの人気。苦いカラメルがきいたプリンは私の好物。
くわ屋食堂でおいしいのは、ハンバーグだ。特におろしハンバーグ。いつも迷いつつ、結局これにしてしまう。少し甘めのおだしにひたったハンバーグ。だしにはきのこやブロッコリもしみしみにひたっている。
上には鬼おろしで粗くおろした大根おろしがたっぷり。どんぶりめしがさくさくなくなる。
みそ汁や添え物のおかずもきちんとおいしい。サラリーマンがひっきりなしなのもうなずけるというもの。
さらちゃんと、黒はんぺんのおかずをつまみつつ、定食も腹いっぱい食べてプリンまで行き着く。おなかいっぱい。
量り売りの他のおかずにも心を惹かれるけど、今日はおやつに夕飯まで食べ倒さねばいけないのだもの。そこそこに。
昔の店舗の時の歴代のマッチペーパーが額に入って飾られていた。こういうのが大好きだ。
食後の腹ごなしに、ぶらぶら散歩する。今回の旅は、観光とはいえ「静岡おでんを食べる」ぐらいしか目的はないのだ。ミッションのない旅は気楽だ。
くわ屋食堂のある常盤町を歩き、途中調理器具のお店などひやかしながら青葉公園を歩く。
青葉公園は道をはさんで細長~くできており、あちこちにオブジェや水場があるちょっとおもしろい場所。広場ではよくテントの出店が出てイベントをしている。
なかほどに、噴水のように水をかけられている石の球がある。これは鉢になっており、外側から注ぎ入れられる水が満杯になるとやにわにゴロンゴロンと転がり始めるのだ。できた頃は愉快で何度も見に行き、じーっと見ていたものだ。今回はじめて「ZEN」という名前が付いていることを知る。
ちょっと調べたら、動画が見つかった。気長に見てみて。
青葉公園のごろんごろんの噴水」のビデオ
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「今度、まんなかへんで遊ぼう」と約束して、さらちゃん(さらーむさん)と静岡デートしてきた。
桜にはまだちょいと早い3月中旬。
最高にいいお天気。コートなんていらないあたたかさで、おさんぽ日和だ。
私は湘南から東海道線でことことゆっくりでかける。
とは言え、熱海で乗り換えたらもう乗りっぱなし。鈍行でも2時間ちょっとなので、近いぞ静岡。
真鶴や根府川のあたりから見える海はきらきらと光って大変気持ちがいい。こういう風景は、鈍行の窓から見たい。
静岡市には、2年ほど暮らしたことがある。もともと静岡の海辺の田舎町で育った私は、子供の頃からちょくちょく遊びに出かけていた街でもある。
静岡は西部・東部・中部と分けられ、静岡市は中部の一番大きな街。県庁所在地でもあるので、大きな買い物やなんかで出るのは大概静岡市だった。
こぢんまりした市街地は、駐車場が少ない代わりに平たいので自転車でうろうろするのにはとても便利だった。そして、自転車でうろうろできる範囲で大抵の用が事足りる。
静岡に暮らしていたときには、西武デパートの地下食品外にジャージでねぼけながらパンを買いに行ったりしていた。今思えばお恥ずかしいが、近所だったんだもん…
さらちゃんは名古屋から新幹線でやってきた。地下鉄を乗り過ごしたとかでぎりぎりだったらしい。旧交を乗り継げば…と思っていたさらちゃんに「無理だから」と新幹線一直線を勧めた夫君、アナタは正しい。
静岡駅の中には「ASTY」という駅ビルが入っており、静岡の名産品を売るコーナー、カフェや居酒屋、本屋などが詰まっていて、電車の待ち時間も便利に過ごせる。
その中のカフェ・レジェロで待ち合わせ。
ここの紅茶は、ミルクかオレンジから選べる。レモンティーでなくてオレンジティー。めずらしい。
お互いの無事の到着をねぎらい、一休みしたらお昼ごはんを食べにでかける。
さらちゃんには申し訳ないが、在住したことのある私の案内で静岡市内を歩くと、「観光」というより「休日のさんぽ」になる。普通の食堂でお昼をたべるべく、てくてく歩く。ちょっと遠い。ごめんね。でもすごくおいしいから。
食堂の向かいのお宅は花が好きな奥さんがいるのだろう、鮮やかに花が咲き乱れていた。
あふれるパンジーはもちろん、このアジサイの葉の豊かなこと、どうよ。うちのはまだ、新芽がぽっちり出たばかり。やはりあたたかいのだな。しかも、潤沢にお天道様の当たるスペースを花にあてているのだ。かわいがってもらっているね。よかったね。
歩きくたびれはじめ、初めての人はちょっと不安になってきた頃に着く食堂、それがちょっと「くわ屋食堂」。周囲にお店や商店街などないのでびっくりするかもしれないが、遠くから訪れる価値のあるごはん屋さんなのだ。
先代までは普通の大衆食堂だったのだけど、今の若主人の代になってメニューも内装も一新、おしゃれで女性も入りやすい、利用しやすいお店になった。
店に入るとすぐにレジ前のおそうざいコーナーが目にとまる。量り売りで、いつも十数種類のおそうざいが大皿に盛ってある。持ち帰り用のパックに詰めて帰るもより、お皿に盛って定食に添えるもよし。
きんぴらや含め煮、コロッケなどはもちろん、「黒はんぺんとひじきの甘辛煮」や「豚汁」、「プリン」「チーズケーキ」なんかもある。
デザート類はランチタイムが終わる頃にはなくなっちゃうほどの人気。苦いカラメルがきいたプリンは私の好物。
くわ屋食堂でおいしいのは、ハンバーグだ。特におろしハンバーグ。いつも迷いつつ、結局これにしてしまう。少し甘めのおだしにひたったハンバーグ。だしにはきのこやブロッコリもしみしみにひたっている。
上には鬼おろしで粗くおろした大根おろしがたっぷり。どんぶりめしがさくさくなくなる。
みそ汁や添え物のおかずもきちんとおいしい。サラリーマンがひっきりなしなのもうなずけるというもの。
さらちゃんと、黒はんぺんのおかずをつまみつつ、定食も腹いっぱい食べてプリンまで行き着く。おなかいっぱい。
量り売りの他のおかずにも心を惹かれるけど、今日はおやつに夕飯まで食べ倒さねばいけないのだもの。そこそこに。
昔の店舗の時の歴代のマッチペーパーが額に入って飾られていた。こういうのが大好きだ。
食後の腹ごなしに、ぶらぶら散歩する。今回の旅は、観光とはいえ「静岡おでんを食べる」ぐらいしか目的はないのだ。ミッションのない旅は気楽だ。
くわ屋食堂のある常盤町を歩き、途中調理器具のお店などひやかしながら青葉公園を歩く。
青葉公園は道をはさんで細長~くできており、あちこちにオブジェや水場があるちょっとおもしろい場所。広場ではよくテントの出店が出てイベントをしている。
なかほどに、噴水のように水をかけられている石の球がある。これは鉢になっており、外側から注ぎ入れられる水が満杯になるとやにわにゴロンゴロンと転がり始めるのだ。できた頃は愉快で何度も見に行き、じーっと見ていたものだ。今回はじめて「ZEN」という名前が付いていることを知る。
ちょっと調べたら、動画が見つかった。気長に見てみて。
青葉公園のごろんごろんの噴水」のビデオ
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青葉公園の中途には、おでん横町というのがある。静岡おでんを出すカウンター飲み屋を集めた一角で、残念ながら夕方からの営業。造花のの桜とがらんとした昼間の風景がいかにも安っぽくてきゅんとくる。住んでいた頃に一度会社の飲み会の流れでどこか一件に入ったことがあったなあ。 今は静岡のガイドブックにも載っていそうだ。
久々にLOFTにも寄ってみる。静岡のは、わずか2フロアの小さなお店。一度閉まったのだけど、復活したのね。
アランジアロンゾやマリメッコのコーナーがあってドキドキする。奥の方には足袋靴下も。
和食器のコーナーに椿の半開きの花の小鉢があって打ちのめされるが、愛らしすぎて何を盛っていいのか思いつかず、しかもうちの食卓にはかわいらしすぎる気がして袖を涙にぬらして別れてきた。
帰ってからうじうじと調べていたら、たぶんこの人のだというのが見つかった。
KOUKOU HOME
ここの、「椿 赤」だと思う。もうちょっと閉じ気味だったかもしれないけど。
いいなー。やっぱりかわいらしいなあ。
そろそろのどが乾いてきたので、フルーツタルトのおいしい「キルフェボン」で一服。今でこそ銀座で人が並ぶようなカフェだけれど、実は静岡のこの店が本店らしいのだ。びっくり。
私が住んでいた頃にできたんだったと思う。当初は販売だけの今より小さな店舗で、だけれど保温ポットで紅茶の無料サービスがあり、タルトを買って紅茶をもらって、前の青葉公園のベンチに腰掛けて食べることができたのだ。今はすっかりこぎれいな喫茶スペースもできて、見違えた。
ここのショウケースはいつも私を惑わせるけれど、春なのでいちごにしてみた。「雷峰のタルト」。
さらちゃんは「えーと、姫りんごの…
どとオーダーして店員さんにいぶかしがられていた。そんなタルトはない。あなた、「紅ほっぺとコシヒカリのタルト」を間違えましたね?いいんだ。思ったことをそのまま口に出す人は悪い人ではない。
コシヒカリとはなんぞや。米粉か、と思いきや、カスタードで米を炊いたライスプディングのようなものがフィリングになっているタルトであった。西洋おはぎだ。
後編に続く。