2007年 04月 06日
みどり色の海 |
パンがいくらあっても足りないじゃない。
中野の「イル・プリモ」に行ってきた。
とある漫画で知って、ずっと行ってみたかったイタリアンである。
妹が先に体験しており、「行こう」と誘われていたのだ。
中野で夕飯を食べて帰るとかなり遅い時間になるので躊躇していたが、「早めのスタートすれば大丈夫だろう」と17:30スタートで行ってみることにした。
中野駅から歩いて10分ほど。目立たないところにお店はある。
正直言ってこぎれいな店ではなく、マダムの愛想もいいとは言えない。
しかし、愛想がないだけで、悪い人ではない。きちんと仕事はしてくれる。
そして、料理はたいそうおいしい。
冒頭の写真は、「魚介のサラダ・バジリコ風 」。やわらかくさっとゆでたいか・えび・はまぐり・ほたてなどとセロリが、鮮やかな緑色のソースで和えてある。これが、皿にこんもりとやってくる。3人で食べてもじゅうぶん満足。
緑色のソースの材料は謎だが、甘酸っぱくてまろやか。きゅーんと喉に来る酸味はない。そして、ソースはあくまでもたっぷり、波々と注がれている。もちろん、パンをもらって吸わせて食べるのだけれど、吸っても吸ってもまだ有り余るソース。ここでこんなにパンを食べてはいかんのだ…
前菜その2は、レバーペースト。軽くあぶったバゲットに塗りつけてある。
なめらかで、甘い。ポルト酒の風味かなあ。お菓子のようにふんわりしている。レバーの臭みは全くない。ああ、これを熱いごはんにとろかしながら食べたいなあ…醤油を一滴たらして!
パスタは二種類。「フェットチーネパスタポルチーニ 」と「スパゲティーうに和えサルディニア風 」。
ポルチーニ茸は、おだしがじんわりと生パスタに染みている。さしづめ「きのこ煮込みうどん」といったところ。香りがものすごい。きのこ好きにもきのこ嫌いにも、たまらないパスタ。
うにのパスタは意表をついて塩味。普通、うにのパスタはクリームソースにする。しかし、ここのパスタは麺にとろりとからまっている「たれ」も、全てうにでできている。さらに「具」としてのうにも、ごろごろ入っている。かなりのうに量。ぱっと見は軽めの盛りに見えるパスタだけれど、かなり食べ応えがある。
メインは「タイのソテーえびソース 」。大きな切り身のたいを香ばしく焼き、プチトマトを煮詰めてごろごろえびをからめたソースがかかっている。ソースにもえびの風味がするので、殻を煮詰めたのではないかと推測する。甘酸っぱくて、レモンの香りがふんわり香る、かわいらしい味。えびも「えびソース」というだけあって、ぷりぷりのごろごろ。
デザートはアップルパイ・カラタナ・リコッタのムース。
アップルパイは、私の座っている席の脇の台にホウルでのせてあって気になっていたのだ。かなりしっかり焼き込んであり、男らしい風情。りんごの大きなブロックがシナモン風味に煮えていて、歯ごたえのあるパイ生地とフィリングにしっとりなじんでいる。デザートとは思えぬほどのボリューム。むしゃむしゃ食べる。
カラタナは、生クリームの濃いプリンのようなもの。かなり苦く焦がしたカラメルがよく合って、おいしい。これはこれは。
カラタナを食べた後の舌には、リコッタのムースは軽く感じる。しかし、しゃもじでどっかりよそったほどの量がある。
妹・母と3人で食べて、満腹。しっかりおなかがいっぱいになる。
フレンチに比べて油が軽いのでもたれはしないが、クラシックなイタリアンで野菜少なめなので、やや重たい。食べ応え十分。
全体的に魚介が多くおいしいので、海辺の料理が得意なシェフなのかな~、なんて想像する。ジェノベーゼは漁師町の名物だものねえ。
ああ、おなかいっぱい。ごちそうさま。
by shizumin_exite
| 2007-04-06 23:28
| そとごはん