2008年 10月 01日
栗の渋皮煮 |
達成感のある保存食ですな。
愛媛のかわいいひとから立派な栗をいただいたので、渋皮煮にする。
この時期になるとあちこちから渋皮煮を作ったという声が聞こえるので、モチベーションが上がるよ。
渋皮煮は、甘露煮よりめんどくさい。栗の表面のつるつるの皮「鬼皮」だけをむいて、中野ぼそぼそした「渋皮」を残して煮る。実に傷をつけると煮くずれるし、当然渋味が残るので、渋抜きをしつつ煮るのが面倒なのだ。
だが、うちには数年前から「栗くり坊主Ⅱ」という強い味方がいる。このはさみがあれば、危なくなく、ロスが少なく栗がむけるのだ。
年に1度、季節に2~3回ぐらいしか使わないくせにちょっと値が張るので躊躇していたのだけれど、これは買って良かった。ギザギザの片刃ががっしり栗をつかんで固定し、鋭い片刃でさくさくむいてくれる。
とはいえ、硬いものをむいていくので指に力が入る。さくさんむいていくとはさみに当たる中指と親指の腹あたりが痛くなるので、写真のようにばんそうこうを巻いておくと擦れなくてまことによろしい。
栗は、あらかじめ半日ぐらいぬるま湯にひたしてからむく。鬼皮がいくらか柔らかくなっていてむきやすい。
刃をざくっと入れると渋皮を破って中まで切れてしまうので、栗の尻のざらざらしたところに浅く刃を入れてむき、あとは手でばりばりと鬼皮をはがすようにするといい。
写真のように傷が入ると煮くずれやすくなる。こういうのは渋皮もむいちゃって栗ごはんに回すのが安全だ。
さて、栗がむけたなら、今度は渋抜き&火入れの作業に入る。
栗の渋はなかなか手強いので、3回に渡って煮ながら抜いていく。
渋の強いもの、弱いものがあるので、その辺は案配を見ながらの調整だ。
基本的には
(1)たっぷりの水に栗と重曹を入れ、火にかける。
(2)沸騰したら弱火で10分ほど煮る。
(3)栗をざるに上げ、すかさず冷水にとって冷やす。
これを3回繰り返す。重曹は大さじ1杯程度かなあ。
3回目は、弱火で10分煮たところで火を止め、ふたをして10分ほど蒸らす。それから網じゃくしで栗をすくい、冷水で冷やす。
煮えた栗は、空気に触れるとほくっと割れやすくなるので、とっとと水に浸けて割れを防ぐのだ。
冷やした栗をひっくり返してみて、渓谷にめり込んだ筋が柔らかくなってはがれすようなら、爪楊枝などを使ってはがしておく。
煮汁は深いワイン色。渋いんだけど、おいしそう。これでシャツかなんか染められたらいいなあ、と思っていたら、えびちゃんも同じことを思っていた。なんだかもったいないほど深い色なのだもの。酢や塩で色止めしたらいけるんじゃないかなあ。うちのリフォームの時に、梁や柱に塗ってもらった柿渋もいい色なのだ。
3回の渋抜き煮をしたら、栗は大概煮えている。ひとつ割って食べてみるといい。
重曹で煮ることで硬くこびりついていた渋皮の筋も柔らかくなっているので、余分があればそっとはがしておく。
仕上げはシロップを含ませる作業。これは割と簡単。
まずシロップを作る。グラニュー糖+水を1:1で煮立てる。シロップは栗がひたひたにかぶるぐらい必要なので、ボウルに入れた栗に水を張り、栗を取り出して水をはかり、これと同量のグラニュー糖を用意すればいい。
鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかける。沸騰したら、弱火でしばらくくらくらさせて完全にグラニュー糖を溶かす。
一度火を止め、栗をそっと入れていく。全部杯ったら弱火をつけ、少しずつあたためる。
軽く沸いたら、ごく弱火にして5分ほど煮る。ぐらぐらさせると栗が割れるので、椿の花を落とさぬように、そっとそっと。私は紙で落としぶたをしているが、その辺はお好きにどうぞ。
栗があたたまったら火を止め、ふたをしてそのまま冷ます。翌日ぐらいにはシロップが「栗に染み渡って、栗の渋皮煮の完成。アイスクリームを添えるなり、和菓子に使うなり思いのままに。
保存は冷蔵庫だけど、もう少し長く保存したい場合にはWECKのビンなどを煮沸消毒し、栗とシロップを詰めて脱気しておく。
春のいちごシロップは春の赤。
夏の赤じそシロップは夏の赤。
秋の栗の渋皮煮の色は、やっぱり秋の夕暮れの赤なのだ。
じきに、りんごジェリーの冬が来る。
レシピブログに参加しています。
銀寄栗
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愛媛のかわいいひとから立派な栗をいただいたので、渋皮煮にする。
この時期になるとあちこちから渋皮煮を作ったという声が聞こえるので、モチベーションが上がるよ。
渋皮煮は、甘露煮よりめんどくさい。栗の表面のつるつるの皮「鬼皮」だけをむいて、中野ぼそぼそした「渋皮」を残して煮る。実に傷をつけると煮くずれるし、当然渋味が残るので、渋抜きをしつつ煮るのが面倒なのだ。
だが、うちには数年前から「栗くり坊主Ⅱ」という強い味方がいる。このはさみがあれば、危なくなく、ロスが少なく栗がむけるのだ。
年に1度、季節に2~3回ぐらいしか使わないくせにちょっと値が張るので躊躇していたのだけれど、これは買って良かった。ギザギザの片刃ががっしり栗をつかんで固定し、鋭い片刃でさくさくむいてくれる。
とはいえ、硬いものをむいていくので指に力が入る。さくさんむいていくとはさみに当たる中指と親指の腹あたりが痛くなるので、写真のようにばんそうこうを巻いておくと擦れなくてまことによろしい。
栗は、あらかじめ半日ぐらいぬるま湯にひたしてからむく。鬼皮がいくらか柔らかくなっていてむきやすい。
刃をざくっと入れると渋皮を破って中まで切れてしまうので、栗の尻のざらざらしたところに浅く刃を入れてむき、あとは手でばりばりと鬼皮をはがすようにするといい。
写真のように傷が入ると煮くずれやすくなる。こういうのは渋皮もむいちゃって栗ごはんに回すのが安全だ。
さて、栗がむけたなら、今度は渋抜き&火入れの作業に入る。
栗の渋はなかなか手強いので、3回に渡って煮ながら抜いていく。
渋の強いもの、弱いものがあるので、その辺は案配を見ながらの調整だ。
基本的には
(1)たっぷりの水に栗と重曹を入れ、火にかける。
(2)沸騰したら弱火で10分ほど煮る。
(3)栗をざるに上げ、すかさず冷水にとって冷やす。
これを3回繰り返す。重曹は大さじ1杯程度かなあ。
3回目は、弱火で10分煮たところで火を止め、ふたをして10分ほど蒸らす。それから網じゃくしで栗をすくい、冷水で冷やす。
煮えた栗は、空気に触れるとほくっと割れやすくなるので、とっとと水に浸けて割れを防ぐのだ。
冷やした栗をひっくり返してみて、渓谷にめり込んだ筋が柔らかくなってはがれすようなら、爪楊枝などを使ってはがしておく。
煮汁は深いワイン色。渋いんだけど、おいしそう。これでシャツかなんか染められたらいいなあ、と思っていたら、えびちゃんも同じことを思っていた。なんだかもったいないほど深い色なのだもの。酢や塩で色止めしたらいけるんじゃないかなあ。うちのリフォームの時に、梁や柱に塗ってもらった柿渋もいい色なのだ。
3回の渋抜き煮をしたら、栗は大概煮えている。ひとつ割って食べてみるといい。
重曹で煮ることで硬くこびりついていた渋皮の筋も柔らかくなっているので、余分があればそっとはがしておく。
仕上げはシロップを含ませる作業。これは割と簡単。
まずシロップを作る。グラニュー糖+水を1:1で煮立てる。シロップは栗がひたひたにかぶるぐらい必要なので、ボウルに入れた栗に水を張り、栗を取り出して水をはかり、これと同量のグラニュー糖を用意すればいい。
鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかける。沸騰したら、弱火でしばらくくらくらさせて完全にグラニュー糖を溶かす。
一度火を止め、栗をそっと入れていく。全部杯ったら弱火をつけ、少しずつあたためる。
軽く沸いたら、ごく弱火にして5分ほど煮る。ぐらぐらさせると栗が割れるので、椿の花を落とさぬように、そっとそっと。私は紙で落としぶたをしているが、その辺はお好きにどうぞ。
栗があたたまったら火を止め、ふたをしてそのまま冷ます。翌日ぐらいにはシロップが「栗に染み渡って、栗の渋皮煮の完成。アイスクリームを添えるなり、和菓子に使うなり思いのままに。
保存は冷蔵庫だけど、もう少し長く保存したい場合にはWECKのビンなどを煮沸消毒し、栗とシロップを詰めて脱気しておく。
春のいちごシロップは春の赤。
夏の赤じそシロップは夏の赤。
秋の栗の渋皮煮の色は、やっぱり秋の夕暮れの赤なのだ。
じきに、りんごジェリーの冬が来る。
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銀寄栗
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by shizumin_exite
| 2008-10-01 14:03
| 甘いおやつ