2009年 06月 09日
塗装はたのし。 |
脳内麻薬物質、出ます。出します・出させます。
ちょっと前の話なのだが、ようやくまとめたので記録しておく。
4月に、かねてからの懸案事項だった、和室の壁の塗り替えを敢行した。
同居人と私、友人ふたりの力を借りて、3日間の大仕事。
とは言え、各日作業は半日ずつぐらいで、主に片付けや養生で時間を使った。
使用塗料はシェルペイント。
ホタテの貝殻を使ったエコ塗料で、濃度は少し重めのペンキぐらい。部屋の余分な湿度や、いやなにおいを吸って分解してくれる。
珪藻土なども機能的に注目されているが、あれは重くてこてで塗りつけなくてはいけないし、下地の準備がたいへんなのだ。画鋲も利かなくなるし、ぶつかって欠けたりもする。
シェルペイントは、ハケやローラーでペンキのように気軽に塗れて、乾きも早い。下地も普通のペンキ塗りと同じ。壁紙が貼ってある部屋なら、壁紙の上から塗れる。
以前、リフォーム前のトイレの壁で試したことがある。きれいにそうじをしていても、古い家の壁は長い間ニオイを吸い込んでいて、湿度が高くなるとそれを放出するので、なんとなく気になっていたのだ。
一畳ほどのスペースの壁を塗っただけで、においは激減した。なかなかの効果。
今回は、八畳間の和室の壁を塗る。いわゆる砂壁で、北側の部屋な上に暗い色合いなので、明るく仕上げたい。
以前この部屋をあまり使っていなかったときに、畳が見事にカビたことがあり、それ以来、空気が湿気るとなんとなく部屋に古いニオイがたちこめるようになった。これを軽減すべく、今回の塗装作戦が生まれたのだ。
実は一昨年我が家は台所を中心に大きなリフォーム工事をしたので、その前に買ってあったシェルペイントはずっとお蔵入りしていたのだ。質が落ちたり固まっていないかドキドキしていたが、きちんと密閉されていたので無事だった。ひとまずほっとする。
■4/17(1日目)
塗装のキモは、養生だ。養生命。一に養生、二に養生。養生をサボると各日に結果に出る。以前のトイレ塗りで懲りているので(いい加減に養生したところは確実にはみだしたのだ)、今回は周到に行う。
まずは部屋をそうじし、家具をできるだけ運び出し、運び出せない家具は部屋の真ん中に集める。
掃除機をかけ、固く絞ったぞうきんで壁をざっざっと拭いていく。汚れやホコリがついていると塗料がうまくのらないからだ。
近所に住む友人Kが助太刀に来てくれた。彼女はそうじや片付けが天才的にうまい。助かる。
壁にひびが入っているところがあれば、速乾性のパテで埋めておく。
塗料は割とさらさらしているので、ベースの凸凹が表面に響くのだ。
床には新聞紙を敷き詰め、ペンキがついてはいけないところを、養生テープ、マスカー、マスキングテープなどで覆っていく。
マスカーは、たいへん便利なテープだ。端っこに布製のテープがついていて、これをぴったり養生部分の端に貼り付けていく。貼り付け後、くっついて畳まれている薄いビニールを広げると、けっこう広い部分を覆うことができるのだ。
ただ、マスカーについている布テープは気持ーち密着度が低いので、大事な部分はマスキングテープをきっちり密着させておき、その上からマスカーを貼るといい。
初日は掃除とマスキングで終了。
お疲れ様でした。
■4/18(2日目)
本日は下地塗り。今日もKが助けに来てくれる。
壁紙にシェルペイントを塗る場合は、壁紙・石膏ボード用シーラー(下地剤)を塗る。砂壁の場合は、砂壁用のシーラーを塗る。うちのは砂壁用。
用は白い水性ペンキなんだが、古い汚れやヤニが上塗りの塗料を通して浮き上がってくるのをふせぎ、ぼろぼろする砂壁を固めて上地を塗りやすくベースをととのえるもの。
このシーラーをきちんと塗ることで、もう作業は9割方終わったも同然なのだ。下地の色をきれいに白く隠し、シェルペイントののりをよくする。特に砂壁は水分を吸うので、しっかり固めておかないとぼろぼろはがれてくるし、塗料が余計にいる。実際、シーラーも一度塗り目はなかなかハケが進まない。染みこみつつの塗り作業なので、案外たくさん塗料が入り用になる。
案の定、当初の計算で4リットル用意していたシーラーが足らず、途中で同居人がホームセンターに走った。
やはり砂壁は結構水分を吸うので、一度塗りの時点で塗料を食うのだ。
二度塗り目はすいすい塗れる。
後でわかったが、スポンジ式のローラーは、どんどん新しいものに買えた方が作業がスムーズにいく。スポンジがへたってくると(ざらざらの砂壁だとへたりやすい)塗料を吸い込みにくく、ムラにもなってくるのだ。
ハケ、ローラーは作業人数分用意しておく。そんなに高いものではないので。
ローラーのつぎ柄も1本買っておくと高いところが楽だ。持ち手にねじ込み式にジョイントできて、するする伸びる。
塗料皿を洗うのが面倒なので、レジ袋を敷く。
水性だからすぐ洗えばとれるよ。作業終了時はハケやローラーはバケツに張った水にひたしてゆるめ、流水でよく洗って乾かす。二度塗り前の一時休憩時などは、ハケ先をラップで包んでおくといい。
上の方の隅っこから塗ろう。
面もどんどん塗るよ。ローラーは下の方からすくい上げるように塗っていくとたれにくい。
シーラーは、一度塗ったら数時間乾かし、二度塗りをする。二度目は地が整っているのですいすい塗れる。
一度塗りだとまだうっすら下地の色が出るが、二度塗りすると真っ白になる。
二度塗り目はたのしい。脳内麻薬物質が出てくる。すいすいー、ころころと塗る。そして調子に乗った頃にやらかす。「気をつければいいや」と思っていたところに飛ばすとか、腕に盛大にたれるとか。気を引き締めよう。
夕方6:00過ぎに作業終了。ふいー。
お茶してほっと一息。結構全身運動なのです。
明日はいよいよシェルペイントを塗るぞー。
■4/19(3日目)
本塗りの日。今日は途中から、同じく近所の友人Mも手助けに来てくれた。頼もしきかな、ご近所。
シェルペイントを、まずは底からよく混ぜる。どのペンキにも共通することだが、結構成分が沈殿しているので、ムラになるのだ。
今回は塗料の容器がでかいので、100均で買ってきた拡販用のパーツをドリルにくっつけてぶいーんと混ぜた。
シェルペイントも、シーラーを同じようにハケとローラーで上の方の隅っこから塗っていく。
シーラーと質感が違う。たらーっとたれやすいのに重い感じ。うんと細かい重めの粉末が溶けているのだ。よくばらず、ていねいに。
シェルペイントも二度塗りし、乾くのを待つ。
ちょっと濃いめに見えるが、乾くと白っぽくなるのでちょうどいいのだ。
さあ、乾きましたよ。
午後は、養生はがし。
これは大変気持ちがいい。そしてごみがたくさん出る。ゴミ袋をスタンバイしておこう。
床はまだはがさないこと。
養生をはがすと、いいかげんだったところが明らかになってくる。
マスキングが甘かったところ、密着度が低かったところなどなど…
目立たないところはいいにしてしまうが、気になるところはカッターの背などでカリカリはがそう。
まだ湿り気があるところなら、ぬれぞうきんを固くしぼったものでぎゅうぎゅう拭くと取れる。
最後に床の養生をはがして…
できあがり!
ほれぼれする者たち。
壁に染みこんだシーラーの水分もあるので、完全に乾くまでに一週間ぐらいはかかる。できるだけ窓を開けて風邪を遠そう。日に日に壁の色も落ち着いてくる。
反省点。
木質部(桟など)は養生が甘かった。やはり養生テープやマスカーのテープでは密着度が低いので、青いマスキングテープをきっちり張ってからあらためて養生すると良い。
畳の端もけっこうしみたところがあるので、マスキングテープ→養生テープ+新聞紙3枚重ね、ぐらいが安全。ペンキがたれて落ちるところだし。
ブルーシートは広めのを2~3枚買っておくといいと思う。割と安いから。
「ここは気をつければいいや」と思ったところはほぼ確実に失敗する法則…
シーラーはないと慌てるので多めに買っておきたい。ハケ、ローラーもだなあ。新聞紙はたくさんいる。
季節的には晴れが続く日がよい。窓を全開にしてやりたい。油性塗料のような刺激臭はないが、やはり多少湖陵のニオイはするし、早く乾いてくれると作業がしやすい。
やれやれ、お疲れ様でした。
こういう作業は数人で行うのがよい。梅仕事、味噌作りも然り。楽しくできるのではかどる。
そしてやはり、お昼やおやつは欠かせない。おむすびにせんべい、お茶、つけもの。
手が汚れる前に万端に用意しておこう。
おまけ。
友人Kがついでに台所も片付けていってくれた。
いつもは乱国世界なのです。
日曜大工リフォームSHOP
ちょっと前の話なのだが、ようやくまとめたので記録しておく。
4月に、かねてからの懸案事項だった、和室の壁の塗り替えを敢行した。
同居人と私、友人ふたりの力を借りて、3日間の大仕事。
とは言え、各日作業は半日ずつぐらいで、主に片付けや養生で時間を使った。
使用塗料はシェルペイント。
ホタテの貝殻を使ったエコ塗料で、濃度は少し重めのペンキぐらい。部屋の余分な湿度や、いやなにおいを吸って分解してくれる。
珪藻土なども機能的に注目されているが、あれは重くてこてで塗りつけなくてはいけないし、下地の準備がたいへんなのだ。画鋲も利かなくなるし、ぶつかって欠けたりもする。
シェルペイントは、ハケやローラーでペンキのように気軽に塗れて、乾きも早い。下地も普通のペンキ塗りと同じ。壁紙が貼ってある部屋なら、壁紙の上から塗れる。
以前、リフォーム前のトイレの壁で試したことがある。きれいにそうじをしていても、古い家の壁は長い間ニオイを吸い込んでいて、湿度が高くなるとそれを放出するので、なんとなく気になっていたのだ。
一畳ほどのスペースの壁を塗っただけで、においは激減した。なかなかの効果。
今回は、八畳間の和室の壁を塗る。いわゆる砂壁で、北側の部屋な上に暗い色合いなので、明るく仕上げたい。
以前この部屋をあまり使っていなかったときに、畳が見事にカビたことがあり、それ以来、空気が湿気るとなんとなく部屋に古いニオイがたちこめるようになった。これを軽減すべく、今回の塗装作戦が生まれたのだ。
実は一昨年我が家は台所を中心に大きなリフォーム工事をしたので、その前に買ってあったシェルペイントはずっとお蔵入りしていたのだ。質が落ちたり固まっていないかドキドキしていたが、きちんと密閉されていたので無事だった。ひとまずほっとする。
■4/17(1日目)
塗装のキモは、養生だ。養生命。一に養生、二に養生。養生をサボると各日に結果に出る。以前のトイレ塗りで懲りているので(いい加減に養生したところは確実にはみだしたのだ)、今回は周到に行う。
まずは部屋をそうじし、家具をできるだけ運び出し、運び出せない家具は部屋の真ん中に集める。
掃除機をかけ、固く絞ったぞうきんで壁をざっざっと拭いていく。汚れやホコリがついていると塗料がうまくのらないからだ。
近所に住む友人Kが助太刀に来てくれた。彼女はそうじや片付けが天才的にうまい。助かる。
壁にひびが入っているところがあれば、速乾性のパテで埋めておく。
塗料は割とさらさらしているので、ベースの凸凹が表面に響くのだ。
床には新聞紙を敷き詰め、ペンキがついてはいけないところを、養生テープ、マスカー、マスキングテープなどで覆っていく。
マスカーは、たいへん便利なテープだ。端っこに布製のテープがついていて、これをぴったり養生部分の端に貼り付けていく。貼り付け後、くっついて畳まれている薄いビニールを広げると、けっこう広い部分を覆うことができるのだ。
ただ、マスカーについている布テープは気持ーち密着度が低いので、大事な部分はマスキングテープをきっちり密着させておき、その上からマスカーを貼るといい。
初日は掃除とマスキングで終了。
お疲れ様でした。
■4/18(2日目)
本日は下地塗り。今日もKが助けに来てくれる。
壁紙にシェルペイントを塗る場合は、壁紙・石膏ボード用シーラー(下地剤)を塗る。砂壁の場合は、砂壁用のシーラーを塗る。うちのは砂壁用。
用は白い水性ペンキなんだが、古い汚れやヤニが上塗りの塗料を通して浮き上がってくるのをふせぎ、ぼろぼろする砂壁を固めて上地を塗りやすくベースをととのえるもの。
このシーラーをきちんと塗ることで、もう作業は9割方終わったも同然なのだ。下地の色をきれいに白く隠し、シェルペイントののりをよくする。特に砂壁は水分を吸うので、しっかり固めておかないとぼろぼろはがれてくるし、塗料が余計にいる。実際、シーラーも一度塗り目はなかなかハケが進まない。染みこみつつの塗り作業なので、案外たくさん塗料が入り用になる。
案の定、当初の計算で4リットル用意していたシーラーが足らず、途中で同居人がホームセンターに走った。
やはり砂壁は結構水分を吸うので、一度塗りの時点で塗料を食うのだ。
二度塗り目はすいすい塗れる。
後でわかったが、スポンジ式のローラーは、どんどん新しいものに買えた方が作業がスムーズにいく。スポンジがへたってくると(ざらざらの砂壁だとへたりやすい)塗料を吸い込みにくく、ムラにもなってくるのだ。
ハケ、ローラーは作業人数分用意しておく。そんなに高いものではないので。
ローラーのつぎ柄も1本買っておくと高いところが楽だ。持ち手にねじ込み式にジョイントできて、するする伸びる。
塗料皿を洗うのが面倒なので、レジ袋を敷く。
水性だからすぐ洗えばとれるよ。作業終了時はハケやローラーはバケツに張った水にひたしてゆるめ、流水でよく洗って乾かす。二度塗り前の一時休憩時などは、ハケ先をラップで包んでおくといい。
上の方の隅っこから塗ろう。
面もどんどん塗るよ。ローラーは下の方からすくい上げるように塗っていくとたれにくい。
シーラーは、一度塗ったら数時間乾かし、二度塗りをする。二度目は地が整っているのですいすい塗れる。
一度塗りだとまだうっすら下地の色が出るが、二度塗りすると真っ白になる。
二度塗り目はたのしい。脳内麻薬物質が出てくる。すいすいー、ころころと塗る。そして調子に乗った頃にやらかす。「気をつければいいや」と思っていたところに飛ばすとか、腕に盛大にたれるとか。気を引き締めよう。
夕方6:00過ぎに作業終了。ふいー。
お茶してほっと一息。結構全身運動なのです。
明日はいよいよシェルペイントを塗るぞー。
■4/19(3日目)
本塗りの日。今日は途中から、同じく近所の友人Mも手助けに来てくれた。頼もしきかな、ご近所。
シェルペイントを、まずは底からよく混ぜる。どのペンキにも共通することだが、結構成分が沈殿しているので、ムラになるのだ。
今回は塗料の容器がでかいので、100均で買ってきた拡販用のパーツをドリルにくっつけてぶいーんと混ぜた。
シェルペイントも、シーラーを同じようにハケとローラーで上の方の隅っこから塗っていく。
シーラーと質感が違う。たらーっとたれやすいのに重い感じ。うんと細かい重めの粉末が溶けているのだ。よくばらず、ていねいに。
シェルペイントも二度塗りし、乾くのを待つ。
ちょっと濃いめに見えるが、乾くと白っぽくなるのでちょうどいいのだ。
さあ、乾きましたよ。
午後は、養生はがし。
これは大変気持ちがいい。そしてごみがたくさん出る。ゴミ袋をスタンバイしておこう。
床はまだはがさないこと。
養生をはがすと、いいかげんだったところが明らかになってくる。
マスキングが甘かったところ、密着度が低かったところなどなど…
目立たないところはいいにしてしまうが、気になるところはカッターの背などでカリカリはがそう。
まだ湿り気があるところなら、ぬれぞうきんを固くしぼったものでぎゅうぎゅう拭くと取れる。
最後に床の養生をはがして…
できあがり!
ほれぼれする者たち。
壁に染みこんだシーラーの水分もあるので、完全に乾くまでに一週間ぐらいはかかる。できるだけ窓を開けて風邪を遠そう。日に日に壁の色も落ち着いてくる。
反省点。
木質部(桟など)は養生が甘かった。やはり養生テープやマスカーのテープでは密着度が低いので、青いマスキングテープをきっちり張ってからあらためて養生すると良い。
畳の端もけっこうしみたところがあるので、マスキングテープ→養生テープ+新聞紙3枚重ね、ぐらいが安全。ペンキがたれて落ちるところだし。
ブルーシートは広めのを2~3枚買っておくといいと思う。割と安いから。
「ここは気をつければいいや」と思ったところはほぼ確実に失敗する法則…
シーラーはないと慌てるので多めに買っておきたい。ハケ、ローラーもだなあ。新聞紙はたくさんいる。
季節的には晴れが続く日がよい。窓を全開にしてやりたい。油性塗料のような刺激臭はないが、やはり多少湖陵のニオイはするし、早く乾いてくれると作業がしやすい。
やれやれ、お疲れ様でした。
こういう作業は数人で行うのがよい。梅仕事、味噌作りも然り。楽しくできるのではかどる。
そしてやはり、お昼やおやつは欠かせない。おむすびにせんべい、お茶、つけもの。
手が汚れる前に万端に用意しておこう。
おまけ。
友人Kがついでに台所も片付けていってくれた。
いつもは乱国世界なのです。
日曜大工リフォームSHOP
by shizumin_exite
| 2009-06-09 13:07
| くらし