2013年 02月 03日
オペレーションN「自家製納豆計画計画」報告 |
※要望があったので、記事を上に引っ張り上げてきました。元記事は2011-03-31 11:56 掲載。
さ、豆をかもしますよ。
納豆がない。買い占めとか、そういう問題ではない。
茨城の大手メーカーが被災している。納豆用の容器をつくる工場も被災、致し方ない。お見舞い申し上げます。一日でも早く、稼働できますように。
納豆がなくても困らない、と言えばそうなのだが、寂しいではないか。ホットケーキミックスでホットケーキを焼く、ほどに手軽なわけではないけど、自家製できます。
ちょっとだけ重い腰を上げてみてもいい人は、やってみて。なんというか、じわじわと楽しいから。
材料/
乾燥大豆…200g
粉末納豆菌…付属のさじにほんのちょびっと
または、種になる市販の納豆大さじ1ぐらい
湯冷まし…大さじ2分の1ぐらい
道具/
圧力鍋
ひまわり形蒸し皿
スプーン
ボウル
プラ容器
スチロール箱
湯たんぽ
温度計
あれば消毒用アルコールスプレー
材料はごくシンプル。豆と菌のみだ。
大豆はスーパーなどで売られている。市販の納豆は小粒、極小粒の大豆が使われているが、普通に買える大豆は大粒。小粒を食べ慣れている人には「でかい」と感じるかもしれないね。私は大粒ラブなので気にならないけれど。大粒は豆のうまみがよく感じられていいものですよ。どうしても小粒が言い!という人はがんばって探してください。
挽き割り納豆はどうか。あれは、納豆を刻んでいるのではないのだ。大豆を割ってから仕込んでいるのだ。大豆の加熱時間や発酵時間を短縮できそうでよさそうなもんだが、まず「挽き割り大豆」というものは売られていない。そして、大豆をミキサーやフードプロセッサーで砕けばいいというもんではない。そうするとムラになるし粉がたくさん出ちゃう。
鎌倉の納豆工場で見学させてもらったことがあるが、市販の挽き割り納豆用の大豆は、専用の機械で1粒ずつ割っているのだ。それを丹念に手作業でできるのなら、がんばってください。面倒な人は、できた納豆を刻むのがよろし。
粉末納豆菌は、どこのご家庭にも1本はある…わけではなかろうので、通販などで買ってください。小瓶だけど相当使えます。
納豆菌の販売 納豆素本舗 ■高橋祐蔵研究所■
http://www.nattomoto.net/
これが手に入らない場合は、市販の納豆をタネにしてもできる。本当に1パックも手に入らないなら手詰まりなのだが、やっと限定数つきでも出回ってきているので、どうにかして手に入れてください。
次に道具。
豆を蒸す。茹でるんでもいいけど、水っぽくなって仕上がりの糸引きもわるい。保存性も落ちると思う。ので、蒸してほしい。
普通に蒸し器で蒸すと膨大な時間がかかるのでここはガスの節約のためにも圧力鍋を使ってほしい。この機会に買ってください。玄米ももちもちに炊けるし、骨付き鶏肉や豚バラブロックをとろとろに煮るのも簡単。
この圧力鍋に、蒸し皿をかます。ひまわりみたいにパラボラ式に開いたり閉じたりする懐かしいアレが便利。足があるので蒸すための水を入れられる。
蒸して納豆菌を混ぜた豆を、容器に入れて保温する。容器はお弁当用の使い捨てプラスチックパックでもいいし、市販の納豆のスチロール容器を洗ってとっておいたのを使ってもいい。通気性が必要なので、フタに小穴をあけたりする。ジップロックコンテナなどを使ってもいいのだけど、ポイントは浅めなこと。豆があまり深く重ならぬようにする。
その納豆パックを保温するいれもの。私はきりたんぽセットが入ってきたスチロール箱を使っている。ふたがきっちり閉まり、密閉制の高いもの。中に入れる納豆パックに対してあまりすきまが大きくない方がいい。
少量なら、ビール6缶についてくるような保冷バッグを保温バッグに使うことも出来る。これは薄いので、周りにタオルを巻いて保温性を高めてやる。
保温剤。湯たんぽ的なもの。
私は電子レンジで温めて使う「ゆたぽん」、お湯を入れるオーソドックスな「湯たんぽ」、ペットボトルなどを使ってみている。「ゆたぽん」は停電中には使えないが安定して保温できる。
ペットボトルは、熱い湯で縮むものが多いので注意。やけどするよ。オレンジ色のふたのホット専用を使う。「お茶のペットボトルは熱いうちに詰めているからお湯に耐えられる」という話もあるが、それもモノによるようなので気をつけて。
ガラスビンなども耐熱性があれば使える。
温度計はあった方がいい。料理コーナー、園芸コーナーなどにある。
作り方/
(1)大豆を洗ってたっぷりの水にひたし、ひと晩浸水させる。
大豆は戻りにくい。あせらずゆっくり戻す。
思いの外膨張するので大きめのボウルで、たっぷり水を張って。でないと大豆が顔を出して浸水が足らなくなる。
(2)大豆を蒸す
圧力鍋に蒸し皿を入れて底にかぶらないぐらい水を張り、蒸し皿に水気を切った大豆を入れる。
フタをして火にかけ、沸騰して重りが回り始めたら弱火にして10分。10分経ったら火を止めてシュンシュン音がしなくなるまで蒸らす。
(3)大豆を蒸している間に納豆菌や容器の準備をする。
粉末納豆菌は湯ざましに溶かしておく。
納豆を種に使う場合は、大さじ2ぐらいの湯冷ましに納豆を入れてかき混ぜ、漉してねばねばの液を取り出して使う。
納豆を入れる容器は、新品でない場合はきれいに洗って出来れば消毒しておく。
熱湯消毒のできないものは、アルコールスプレーなどを使う。
保温用の箱やバッグもアルコール消毒。
お温材をあたためて箱やバッグに入れておく。温度計も入れて庫内が40℃以上になるようにする。
(4)蒸し上がった大豆をボウルに移し、熱々のうちに納豆菌溶液をかけまわしてよく混ぜる。
熱々のうちにすること。納豆菌はカプセルに包まれて休眠状態になっている。熱にあたることでショックが加わり、発芽する。
(5)あたたかいうちに大豆を容器に移す。あまり深く詰めないこと。2~3段で、ぱらっとしている方がいい。
(6)納豆容器を保温庫に入れ、保温材を入れてふたをする。
最初は底にゆたぽんを入れていたのだけれど、網をかませて上に保温材をのせた方が途中で保温材の入れ替えがしやすいことがわかったので切り替えた。
保温バッグの方が、外側からタオルでぐるぐる巻いて保温。
(7)数時間おきに中をのぞいてみて温度計を確認。
40℃を保つのは難しいが、30℃以下に下げたくない。下がりそうだったら保温剤を取り替える。
(8)10時間ぐらいでだいたいできるが、できれば15~16時間ぐらい置きたいところ。
ゆたぽんで3~4回、ペットボトルで5回ほど入れ替えた。3月の気温でこれなので、あたたかくなってきたらもっと楽になる。
(9)できあがりの目安は、豆の外側にほんのり白い膜が張っていること。これが納豆菌の菌糸。
ふたを開けて嗅いでみる。納豆の香りがすれば完成。明らかにイヤなニオイだったら雑菌が繁殖しているので失敗。
※下段は黒豆納豆
(10)すぐに食べるのでなく、これを冷蔵庫で2日ぐらい熟成させた方が、アンモニア臭が飛んでうまみが出てくるのでおすすめ。定期的に作って回そう。
2011-03-31 11:56 |
さ、豆をかもしますよ。
納豆がない。買い占めとか、そういう問題ではない。
茨城の大手メーカーが被災している。納豆用の容器をつくる工場も被災、致し方ない。お見舞い申し上げます。一日でも早く、稼働できますように。
納豆がなくても困らない、と言えばそうなのだが、寂しいではないか。ホットケーキミックスでホットケーキを焼く、ほどに手軽なわけではないけど、自家製できます。
ちょっとだけ重い腰を上げてみてもいい人は、やってみて。なんというか、じわじわと楽しいから。
材料/
乾燥大豆…200g
粉末納豆菌…付属のさじにほんのちょびっと
または、種になる市販の納豆大さじ1ぐらい
湯冷まし…大さじ2分の1ぐらい
道具/
圧力鍋
ひまわり形蒸し皿
スプーン
ボウル
プラ容器
スチロール箱
湯たんぽ
温度計
あれば消毒用アルコールスプレー
材料はごくシンプル。豆と菌のみだ。
大豆はスーパーなどで売られている。市販の納豆は小粒、極小粒の大豆が使われているが、普通に買える大豆は大粒。小粒を食べ慣れている人には「でかい」と感じるかもしれないね。私は大粒ラブなので気にならないけれど。大粒は豆のうまみがよく感じられていいものですよ。どうしても小粒が言い!という人はがんばって探してください。
挽き割り納豆はどうか。あれは、納豆を刻んでいるのではないのだ。大豆を割ってから仕込んでいるのだ。大豆の加熱時間や発酵時間を短縮できそうでよさそうなもんだが、まず「挽き割り大豆」というものは売られていない。そして、大豆をミキサーやフードプロセッサーで砕けばいいというもんではない。そうするとムラになるし粉がたくさん出ちゃう。
鎌倉の納豆工場で見学させてもらったことがあるが、市販の挽き割り納豆用の大豆は、専用の機械で1粒ずつ割っているのだ。それを丹念に手作業でできるのなら、がんばってください。面倒な人は、できた納豆を刻むのがよろし。
粉末納豆菌は、どこのご家庭にも1本はある…わけではなかろうので、通販などで買ってください。小瓶だけど相当使えます。
納豆菌の販売 納豆素本舗 ■高橋祐蔵研究所■
http://www.nattomoto.net/
これが手に入らない場合は、市販の納豆をタネにしてもできる。本当に1パックも手に入らないなら手詰まりなのだが、やっと限定数つきでも出回ってきているので、どうにかして手に入れてください。
次に道具。
豆を蒸す。茹でるんでもいいけど、水っぽくなって仕上がりの糸引きもわるい。保存性も落ちると思う。ので、蒸してほしい。
普通に蒸し器で蒸すと膨大な時間がかかるのでここはガスの節約のためにも圧力鍋を使ってほしい。この機会に買ってください。玄米ももちもちに炊けるし、骨付き鶏肉や豚バラブロックをとろとろに煮るのも簡単。
この圧力鍋に、蒸し皿をかます。ひまわりみたいにパラボラ式に開いたり閉じたりする懐かしいアレが便利。足があるので蒸すための水を入れられる。
蒸して納豆菌を混ぜた豆を、容器に入れて保温する。容器はお弁当用の使い捨てプラスチックパックでもいいし、市販の納豆のスチロール容器を洗ってとっておいたのを使ってもいい。通気性が必要なので、フタに小穴をあけたりする。ジップロックコンテナなどを使ってもいいのだけど、ポイントは浅めなこと。豆があまり深く重ならぬようにする。
その納豆パックを保温するいれもの。私はきりたんぽセットが入ってきたスチロール箱を使っている。ふたがきっちり閉まり、密閉制の高いもの。中に入れる納豆パックに対してあまりすきまが大きくない方がいい。
少量なら、ビール6缶についてくるような保冷バッグを保温バッグに使うことも出来る。これは薄いので、周りにタオルを巻いて保温性を高めてやる。
保温剤。湯たんぽ的なもの。
私は電子レンジで温めて使う「ゆたぽん」、お湯を入れるオーソドックスな「湯たんぽ」、ペットボトルなどを使ってみている。「ゆたぽん」は停電中には使えないが安定して保温できる。
ペットボトルは、熱い湯で縮むものが多いので注意。やけどするよ。オレンジ色のふたのホット専用を使う。「お茶のペットボトルは熱いうちに詰めているからお湯に耐えられる」という話もあるが、それもモノによるようなので気をつけて。
ガラスビンなども耐熱性があれば使える。
温度計はあった方がいい。料理コーナー、園芸コーナーなどにある。
作り方/
(1)大豆を洗ってたっぷりの水にひたし、ひと晩浸水させる。
大豆は戻りにくい。あせらずゆっくり戻す。
思いの外膨張するので大きめのボウルで、たっぷり水を張って。でないと大豆が顔を出して浸水が足らなくなる。
(2)大豆を蒸す
圧力鍋に蒸し皿を入れて底にかぶらないぐらい水を張り、蒸し皿に水気を切った大豆を入れる。
フタをして火にかけ、沸騰して重りが回り始めたら弱火にして10分。10分経ったら火を止めてシュンシュン音がしなくなるまで蒸らす。
(3)大豆を蒸している間に納豆菌や容器の準備をする。
粉末納豆菌は湯ざましに溶かしておく。
納豆を種に使う場合は、大さじ2ぐらいの湯冷ましに納豆を入れてかき混ぜ、漉してねばねばの液を取り出して使う。
納豆を入れる容器は、新品でない場合はきれいに洗って出来れば消毒しておく。
熱湯消毒のできないものは、アルコールスプレーなどを使う。
保温用の箱やバッグもアルコール消毒。
お温材をあたためて箱やバッグに入れておく。温度計も入れて庫内が40℃以上になるようにする。
(4)蒸し上がった大豆をボウルに移し、熱々のうちに納豆菌溶液をかけまわしてよく混ぜる。
熱々のうちにすること。納豆菌はカプセルに包まれて休眠状態になっている。熱にあたることでショックが加わり、発芽する。
(5)あたたかいうちに大豆を容器に移す。あまり深く詰めないこと。2~3段で、ぱらっとしている方がいい。
(6)納豆容器を保温庫に入れ、保温材を入れてふたをする。
最初は底にゆたぽんを入れていたのだけれど、網をかませて上に保温材をのせた方が途中で保温材の入れ替えがしやすいことがわかったので切り替えた。
保温バッグの方が、外側からタオルでぐるぐる巻いて保温。
(7)数時間おきに中をのぞいてみて温度計を確認。
40℃を保つのは難しいが、30℃以下に下げたくない。下がりそうだったら保温剤を取り替える。
(8)10時間ぐらいでだいたいできるが、できれば15~16時間ぐらい置きたいところ。
ゆたぽんで3~4回、ペットボトルで5回ほど入れ替えた。3月の気温でこれなので、あたたかくなってきたらもっと楽になる。
(9)できあがりの目安は、豆の外側にほんのり白い膜が張っていること。これが納豆菌の菌糸。
ふたを開けて嗅いでみる。納豆の香りがすれば完成。明らかにイヤなニオイだったら雑菌が繁殖しているので失敗。
※下段は黒豆納豆
(10)すぐに食べるのでなく、これを冷蔵庫で2日ぐらい熟成させた方が、アンモニア臭が飛んでうまみが出てくるのでおすすめ。定期的に作って回そう。
2011-03-31 11:56 |
by shizumin_exite
| 2013-02-03 22:36
| うちごはん